第11話: 就職活動 in London (後半) / 戸田真裕美

 
 

前回の更新から、また4ヶ月があいてしまいました。更新ペースが遅く、大変申し訳ありません。前回は、4月に家族が日本から遊びにきて、私の卒業式に出席して、日本に帰っていったところで終わったので、今回はその続きです。

 

ずっと楽しみにしていた卒業式というイベントが終わり、家族も日本へ帰っていって、日常が戻った。日常、というのは、また職探しの日々に戻るということで、朝からパソコンを開き、メールとジョブサイトをチェックして、CVを書いて、送って、という繰り返し。家族と過ごした時間はいいリフレッシュになり、また就職活動をがんばろうと思えるようにもなっていた(家族と会う前は、ちょっと辟易していたというのが正直なところ)。

その頃、何故だかよくわからないが、数社から2次面接に呼ばれた。その中の一社が、現在私が勤務しているところである。

 

面接からほどなくして、採用の通知が届いた。のどから手が出るほど欲しかった「採用」の2文字だったのに、私は面食らってしまい、選ばれたのは光栄なことで嬉しいが、果たして私に期待された役割が果たせるのかどうか不安が大きかったからだ。私を選んでくれたその企業は、今までの私のバックグラウンドとは全くことなり、私がするとおもわれる業務に関しても、私は全くのド素人ゆえ、自分にできるかできないかすらも判断しかねる状態だった。一人では決めかねるので、インフォーマルという形で、もう一度、その採用通知をくれたロンドン事務所の所長さんに、お話を聞く機会が欲しいとお願いした。所長さんは了承してくれて、数日後にもう一度オフィスへ伺った。

 

所長さんに、私がつくであろう業務のことなどを細かく質問し、私が抱いている不安など、なるべく全て正直に話すようにした。まだお互いコントラクトにサインをしたわけではないし、会社にとっても、間違った人材を採ったと後で悔やんで欲しくなかったので、なるべく本音を言うようにした。そういう私の姿勢を汲んでくれたのか、所長さんも大変誠意ある対応をしてくれた。コミュニケーションから温かみが感じられる人が私は好きで、そうでないと絶対うまくいかないことは30年以上生きてきてよくわかっていた。所長さんからも、またそこで働く他の人たちからも、その温かさを感じることができて、それだけで私はその会社の、というかそのロンドン事務所の居心地の良さが気に入ってしまった。私のこれまでの職歴や、学歴や、資格なんかが何も関係しないような職場で、私は私が何故選ばれたのか、本当のところはいまでもわからない。でも、誰の目から見ても明らかな、そういった類の「スペック」よりも、ほかの部分を見て評価してくれたことは、なにか新鮮だったし、これまでスポットライトが当たらなかったけれども、本当は自分の長所なり強みだとおもっていたようなところまで、見透かされてそれを好んでくれたような気がして、とても嬉しかった。

 

私は、世界の教育格差をなくす仕事がしたい。ひとりでも多くの人が学校に行き、ひとつでも多くのことを知って、どんな小さな夢でもいいから、叶えたいって思って行動できるような世の中にしたい。だから、日本での仕事を辞めて勉強した。それは後悔していない。目標も、やりたい仕事の方向性も変わってない。じゃあ、ここで全くその決意や経緯と関係ない仕事についてしまうことは、なにもかも無駄にしていることになるんじゃないか?希望の仕事に就けないから、目の前にある仕事で妥協しようとしているんじゃないか?仕事が欲しいから、正しい判断力を失っているのではないだろうか?就職活動の辛さから逃げようとしているだけなんじゃないか?…と、考えに考えた。いろんな人に電話をしてアドバイスを求めてもみた。みんな有益なアドバイスをくれて、背中を押してくれる人も、やめておけという人もいた。結局は、私が決めること。

 

私は、内定を受諾することにした。だって、やってみなくちゃ何もわからないから。やってみて初めて見える世界があって、やってみて初めて言えることがあって、やってみた結果、次にやってみたいことが見えてくる。やってみてそこから学んだことは、無関係のように見えても、無駄になるものって実は一つもない。これまでもずっとそういう流れだったし、きっとこれからだってそうあるはず。それに、私の中身を見て評価して私を採用してくれるという人たちがいる。望まれて行く、っていう環境って、今の世の中じゃあんまりお目にかかれない、貴重な環境かもしれないと思った。こういうのを、ご縁というのかな。

 

くどいかもしれないが、私のやりたい仕事は変わっていない。仕事、というか、ライフワークというか、私の生きる意味というか、つまり世界の教育格差をなくすことなのだけど、それは全く変わっていない。でも、今は違うことをする。ここで勉強したことを次のステップに活かす。だから、まだまだ下積みだし、ずっと目標を追いかけていることになる。それでいいじゃない、何もかもストレート、寄り道なしの人生なんて、私には似合わないと思う。だから私は、自信を持って、全くの異業界、異業種っていう環境に飛び込んでみることにした。

 

それから早半年。だいぶ仕事には慣れてきたけど、まだまだ一人前には程遠い。商談が上手くいったり、ちょっと数字が上がったり、いいこともあるけど、別に私の手柄ってわけじゃない。聞けばすぐ教えてくれる先輩がいて、東京やアジア諸国のオフィスからアドバイスをくれる先輩がいて、外国人の私の話に耳を傾けてくれるクライアントがいて。みんなに持ち上げられて、なんとかいい結果を少しずつだけど出せているような状態。早く、持ち上げるほうになりたい。早く誰かをサポートできる余裕をもって働けるようになりたい。役に立ちたい。だから毎日働く。毎日勉強。毎日感謝。ほんと、みんな優しくて、ありがたい。

 

今与えられた場所で、どこまで私はできるのか。やっぱりどこでも何でも、自分との戦いで、挑戦を続けていくような感じが、私には合ってるのかな。

 

次のステップは、いつ訪れるんだろう?いつ、私は次の波に乗りたいと思って、乗れるようにまた方向転換をしようとするんだろう?こればっかりは、まだわからない。ただ言えるのは、波が来たときに乗れる力があるかどうかは、今ここでやるかやらないかにかかっていて、だから無駄にしている時間もなければ、しなくていい努力なんてものもない。

 

でも、案外はやく、チャンスが訪れるような気がしてならないんだよね。楽観的すぎるかな?

 

 
 
 
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